はじめに(測量と境界について)

日常の生活ではあまりなじみのない測量と境界という2つの言葉ですが、実際に土地を所有している人にとっては、測量をしなければならない場面や隣地との境界のトラブルに巻き込まれる場面を経験する可能性は必ずあるものです。
実際に今、このホームページをご覧になっている方の中には、そういったことに直面されている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、このホームページのテーマでもある測量と境界という2つのキーワードについて、これから後のページを読んでいく上での基本となるような知識について、わかりやすく解説していくことにいたします。

  1. はじめに
  2. 測量に関する基礎知識
  3. 現況測量とは
  4. 地積測量とは
  5. 境界に関する基礎知識
  6. 作成者からのメッセージ
1.はじめに

測量という言葉を聞いてみなさんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか?
街中で三脚の上に設置された機材を覗き込んで作業をしている人たちの姿を見たことがあるのではないでしょうか?
この作業風景こそが私たちの住んでいる家の敷地や道路などを実際に測量している場面ということになります。
また、普通に道を歩いていてもなかなか気づかないかも知れませんが、道路と塀の境目などに矢印や十字の入ったコンクリートの杭や金属のプレートを見かけたことはありませんか?
これがいわゆる境界標といわれるもので、今挙げたようなケースでは道路と一般の人たちが所有している土地との境界を明示しているものとなります。
そして、実際に今あなたが所有している土地と隣の土地との境目にも境界標があることになり、その境界標によって自分の土地と他人の土地との境界を明確に表示することになります。
一般の人たちが触れたことがあるような体験から簡単に測量と境界について書き始めてみましたが、測量と境界に関して、いきなり専門用語を並べ立てても一般の人たちが理解していくのは非常に難しいのではないでしょうか。
このホームページは測量と境界という2つのテーマについて、専門的な知識を持たない一般の人たちを対象に、ある程度の理解ができるように作成いたしました。
以下の項では測量と境界の基礎知識についてわかりやすく解説していくことにいたします。

2.測量に関する基礎知識

「はじめに」でも書きました測量の作業風景では、一体どのような測量の作業が行われているのでしょうか?
現在のほとんどの測量事務所では、光波測距儀という機材を使用して測量を行っています。光波測距儀と言っても一般の方々にとっては聞きなれない言葉だと思いますし、どんなことができる機械なのかはわからないと思います。
光波とは簡単に言うと、その名のとおり光を使って距離を測る機械で、光源から発射される光をプリズムと呼ばれる鏡(プリズムは長い竿のような物に取り付けて作業することが一般的です。先ほど書いた作業風景でも長い棒を持って、じっとして作業しているのを見たことがあるかもしれません。)に反射させて光源に返すこと、つまり、光の往復の時間を測って距離を求めることができる機械ということになります。
上記で説明したように光波測距儀は正確な距離を測定することができますが、それとともに、それぞれの地点に対しての正確な角度も測定することができます。
では、その光波測距儀を使って実際の土地の測量について、できるだけわかりやすく解説していくことにします。
光波測距儀はある地点からある地点までの正確な距離を測量することができますが、実際の測量では更地の場合を除き建物や塀がありますので、必ずしも測量したい地点から地点までが見渡せる場合ばかりではありません。
では、その場合にどうやって見渡せない2点間の距離を測量しているのでしょうか?
実際の測量では測量をしたい地点に光波測距儀を設置して測量したい地点までの距離を測ることはしません。
この場合には測量したい2つの地点を見渡せる任意の地点に光波測距儀を設置して、測量したい2点までの正確な距離と角度を測量することになります。
この測量により、三角形の1つの内角と2つの辺の長さが分かることになりますので、三角形の原理(余弦定理)から残りの1つの辺の距離が求められることになります。
そして今回測量する土地が四角形だとすると、以上の測量を4回繰り返すことで測量する土地の全ての辺を測り終えることになります。
さて、次に面積の求積についてですが、実務では三斜求積法という方法を用い、測量した土地を小さな三角形に分割し、それぞれの三角形について求積していく方法です。
では、実際に測量した土地の面積を求めてみましょう。
測量した土地が四角形であれば2つの三角形に区切ることができますし、五角形であれば3つの三角形に区切ることができます。
三斜求積法とは、区切ったそれぞれの三角形を三角形の面積の公式(底辺×高さ÷2)に当てはめて求積し、それぞれの三角形の面積を最後に足してトータルの面積を求積します。
これが簡単な測量に関する基本的な考え方になりますが、おわかりになりましたでしょうか。
さて、実際に測量が必要になる場面や実際の測量の手続きの流れについては後のページで紹介することにして、次に実際の測量の種類である現況測量と地積測量という2つの測量について解説していきます。

3.現況測量とは

現況測量とは、字のごとく土地の現況について測量をするものですが、次に紹介する地積測量とは違って隣接者との境界の立会い及び確認などは行いませんので、地積測量と比較すると簡易な測量ということになります。
現況測量がどんな場面に必要かというと、自分が所有している土地の上に建物を新築する場合やマンションを建てる場合、土地を売却する場合で地積測量までは要求されていない場合などに必要になる測量です。
建物を設計するためには敷地の形状や敷地の高低差、隣地への日照制限などを調査する必要がありますので、建物を新築する際の前提としては必ず必要になります。
なお、このような場合には現況測量以外にも、敷地の高低差を調べる高低測量や建物を建設する際の日照制限などを調査するために必要な真北測量なども必要になってくる場合があります。

4.地積測量とは

地積測量とは、先に紹介した現況測量と違って隣接者との境界の立会い及び確認などの手続きを行いますので、公的な証明として測量の成果を必要とする場面で行われる測量のことをいいます。
もう少し細かく説明すると、後日の境界に関する紛争を避けるため、隣接地の所有者や隣接する道路管理者(県道であれば県が所有している、市の道路であれば市が所有している道路になります)とお互いの所有している土地の境界はここで間違いないという確認、つまり境界の確定の立会いを行い、その立会いにより確認した境界に基づいて隣接地の所有者や隣接する道路管理者から作製した図面への署名捺印をいただくことで、公的に自分の土地の境界がここまでだという確定ができる測量になります。

地積測量は買主が業者で建売住宅やマンションを建てる場合などや法務局(登記所)という国の機関により管理されている登記簿の内容を変更する場合(土地の地積の更正や土地の分筆手続き)などの登記手続きの前提として行う場合には必ず必要になります。

5.境界に関する基礎知識

境界は簡単にいうと「土地と土地の境目」ということになります。
一般的に建物には住居表示があり、その建物の底地の部分、駐車場として使用されている土地、建物を新築する前の更地などが一般的な人たちが考える1つの土地としてのイメージではないでしょうか。
しかし法的な定義での土地は一般的な人たちがイメージでする土地とは少し違い、住居表示とはまったく違った地番という番号が与えられて法務局(登記所)という国の機関により管理されています。
ですから1つの建物が2つ以上の土地にまたがって建っている場合もありますし、1つの土地の上に2つ以上の建物が建っている場合もあります。
さて、今述べたように地番が与えられた土地と土地の境目こそが法的な意味での境界ということになり、その法的な意味での境界を明確に表示するために必要なのが境界標ということになります。
しかし、本来すべての土地の境界にしっかりとした境界標があればトラブルになるはずもないのですが、実際の境界標に関しては最初から土地の境界に境界標がない場合もありますし、経年変化により境界標が動いてしまった場合や抜けてしまった場合、工事などで境界標が動いてしまった場合や抜けてしまった場合などもあります。
境界がどうなっていても普通に生活をしている限り、まったく問題ないことなのですが、土地を売却しようとして実際に自分の土地を測量しようとした場合や隣地の人が測量をした場合で境界の確認をしようとした場合には、上記のように境界標がなかったり、あるべき位置の境界標が動いてしまった場合には隣地の人とのトラブルに発展していく可能性があります。
この後のページでは境界に関するトラブルについて、いろいろな例を挙げて、どんな方法で解決していくか、どんな資料をもとに復元していくのか、などについて解説をしていくことにいたします。

6.作成者からのメッセージ

日常の生活ではあまりなじみのない測量と境界という2つの言葉ですが、実際に土地を所有している人にとっては、自分の土地を売却しようとして測量しようとした場合や隣地の人が測量をした場合で自分の土地との境界の確認をしようとした場合に、はじめて測量や境界についての知識が必要になってくることになります。
そして、このホームページをご覧になっている方は実際にそのような場面に遭遇している方たちではないでしょうか。
このホームページは測量と境界という2つのテーマについて法律に詳しくない一般の方々を対象に、なじみにくい専門用語に対しても、なるべくわかりやすく説明を交えながら解説いたしました。
このホームページで得た知識が実際に測量をする場合や隣地との境界のトラブルなどの解決に活用していただければ幸いです。

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